競馬の基礎知識

競馬の斤量とは?馬体重との違いと出馬表の数字・記号を解説

水彩で騎手を乗せた馬、鞍、調整用の重りを描き、斤量と馬体重の違いを示した図解
馬爺

こんにちは、馬爺(うまじい)です。

出馬表を開くと、馬の名前のそばに「58.0」、少し離れたところに「480」。どちらも重さの数字ですが、量っているものが違うんです。

競馬の斤量は「きんりょう」と読み、馬がレースで背負う騎手や鞍などの負担重量を指します。馬自身の体重でも、騎手本人の体重だけでもありません。「斤量58kg」なら、その馬の負担重量が58kgということです。

ここが分かると、出馬表の数字がぐっと読みやすくなります。同じレースなのに数字が違う理由や、騎手名の横に付く▲や☆も、一つずつ見ていきましょう。この記事ではJRAの中央競馬を中心に、斤量の意味と表示の読み方をお話しします。

この記事でわかること

  • 斤量と馬体重・騎手の体重の違い
  • 馬が背負う装具や重りと検量の仕組み
  • 馬齢・別定・定量・ハンデの決め方
  • 出馬表の数字と騎手の減量記号の読み方

競馬の斤量とは?馬が背負う重さ

まずは「何を量った数字なのか」から。斤量、馬体重、騎手の体重を分けたうえで、出馬表の一行を読んでみます。鞍や重りがどう関わるのかも、馬の背中を思い浮かべながら見ると分かりやすいですよ。

斤量の読み方と58kgの意味

斤量は「きんりょう」。競馬の話では、負担重量と同じ意味で使います。出馬表に「負担重量」と書かれていて、中継や解説では「斤量」と呼ばれていても、別々の項目ではないんです。

表示の単位はkgです。たとえば斤量欄の「58.0」は58kgを表し、小数点が付いているから別の単位になるわけではありません。「この馬は58kgの負担重量で走る」と読めばよいところです。

少しややこしいのは、馬の名前に付いている数字なので、馬そのものの重さに見えること。けれど、斤量が示すのは馬が背負う側の重さです。騎手が乗り、鞍などを着けて走る、その負担を表しています。

もう一つ、「58kgの重りを新たに載せる」という意味でもありません。騎手や鞍などを含めて考える数字なので、騎手の体重に58kgを足す読み方はしないでくださいね。追加する重りは、必要な重量に合わせるための一部分です。

斤量58kg=その馬の公表された負担重量が58kg。「馬の体重が58kg」「騎手本人が58kg」「58kgの重りを追加する」の三つとは分けて読みます。

「斤」という漢字が残っているのは、昔は重さを斤という単位で表していたためです。1斤は0.6kg。今の出馬表はkg表示なので、58という数字を斤から換算する必要はありません。

昔の呼び名が今も出馬表に残っているのは、ちょっと面白いですね。では、隣にある馬体重との違いも見てみましょう。

馬体重や騎手の体重とは別の数字

馬体重は馬自身の重さ、斤量は馬が背負う側の重さ。似た場所に載る数字でも、こちらは量っている対象が違います。JRAの馬柱でも、負担重量と馬体重は別の項目になっています。

たとえば、説明用の架空の表示として「斤量58.0kg、馬体重480kg」を考えてみます。480kgが馬自身の重さで、58.0kgが公表された負担重量です。二つの数字を同じ欄の別表記だと思うと、ここで話が混ざってしまいます。

斤量・馬体重・騎手の体重の違い
項目何の重さ?説明用の読み方
斤量・負担重量馬が競走で背負う騎手や鞍などの負担重量58.0なら公表斤量58kg
馬体重馬自身の重さ480なら馬体重480kg
騎手本人の体重騎手自身の重さ斤量欄の数字だけでは分からない

騎手の名前が斤量の近くに書かれていると、「この人の体重が表示されているのかな」と思うかもしれません。ここも別です。負担重量には鞍なども関わるので、斤量欄から騎手本人の体重をそのまま読み取ることはできません。

同じ騎手の名前が別の馬の欄にあり、それぞれ違う斤量になっていても不思議ではありません。数字はその騎手のプロフィールではなく、馬とその競走の負担重量として読むものだからです。

馬体重の数字が変わる話と、斤量の数字が変わる話も分けておくと読みやすくなります。斤量は競走の条件などで定まり、馬自身を量った値をそのまま移した数字ではありません。「馬が大きいから斤量欄もその分大きくなる」という対応にはなっていないんです。

鞍や装具、重りはどう数える?

斤量に関わるのは、騎手だけではありません。馬の背中に載せる鞍(くら)や、規程で対象となる装具も含めて量ります。騎手がどれだけ軽いかだけで、馬の負担重量が決まるわけではないところです。

鞍は、騎手が乗るために馬の背中へ着けるもの。検量では鞍本体だけでなく、付属具や鞍下毛布なども規程に従って数えます。一方、騎手のむちと帽は検量の対象から除かれます。見える道具を何でも全部足す、という仕組みではありません。

騎手と対象の装具だけでは必要な重量に届かないときは、鉛などを使って調整します。競馬の道具としての鉛は、この重量調整に使う重りです。軽い騎手が乗ったら指定された負担重量より軽いまま走れる、ということにはならないんですね。

保護ベストの1kgは表示と分ける

ここには一つ、表示の数字と実際の検量をつなぐ決まりがあります。JRAでは、公表された負担重量に保護ベストの標準的な重量として1kgを加えて検量し、発表する負担重量からはその1kgを除きます。

つまり、斤量58kgという表示を「検量対象を全部量った値も、必ずちょうど58kg」と読むのは正確ではありません。58kgに標準分の1kgを加えた重量が、検量の基準になるということです。この1kgは、騎手の希望で増減するハンデではありません。

出馬表を見るときは表示された斤量を読みます。保護ベストの標準分を考えて、出馬表の数字を自分で1kg書き換える必要はありません。

公表斤量58kgと保護ベスト標準分1kgを加えた検量基準59kgを分けて示す水彩図解
公表斤量58kgの説明例。保護ベストの標準分1kgは、検量で加える決まりです。

出馬表の一行を読んでみよう

では、覚えた言葉を一行の表示に戻してみましょう。ここで使う数字は、読み方を説明するための架空の例です。実在する馬や騎手の成績ではありません。

出馬表の項目を読むための架空例
馬の性齢負担重量騎手馬体重
牡558.0kg騎手名480kg

負担重量欄の58.0kgが、この例の斤量。馬体重欄の480kgが馬自身の重さです。「牡5」は牡馬の5歳を表します。並んだ数字に、それぞれ違う役割があるわけです。

私はまず、気になった一頭の馬名から、その馬の負担重量と馬体重へ目を移す読み方が取りかかりやすいと思います。一度に全頭、全項目を読むより、どの欄を見ているかが分かりやすいんです。

出馬表には、今回の出走情報だけでなく、過去のレースの成績も並ぶことがあります。過去の成績欄に載る斤量は、その過去の競走での負担重量。今回の数字と違っていても、どちらかの記載が間違いとは限りません。

たとえば、今回の欄に58.0kg、前のレースの欄に57.0kgと載っていたら、「今回と前のレースで斤量が違う」と読みます。馬体重が1kg増えたことを表しているのでも、騎手本人が1kg増えたと報告しているのでもありません。

数字を追っている途中で迷ったら、その欄が今回の出走情報か、過去の成績かを見ると話が戻ります。斤量の決まり方はレースごとに関わるので、日付やレース名と一緒に読むと、違いのある数字も受け止めやすくなりますよ。

説明用の架空出馬表で負担重量58.0kgと馬体重480kgの欄を色分けした水彩図解
説明用の架空例。負担重量欄と馬体重欄は、量っている対象が違います。

レース前後に重さを確認する検量

負担重量は、出馬表へ書いて終わりではありません。レース前には騎手と規程で対象となる装具を量る前検量(ぜんけんりょう)を行い、競走後にも定められた対象の騎手が後検量(あとけんりょう)を受けます。

前検量は、その競走に出るための重量を確かめるものです。騎手本人だけを健康診断のように量る場面ではなく、鞍なども含めた負担重量の確認なんです。公表斤量に保護ベストの標準分1kgを加える決まりも、この検量で使います。

後検量の対象は、JRAでは到達順位が7位までの馬の騎手と、裁決委員が特に指定した馬の騎手です。「全騎手が毎レース必ず同じように後検量する」と覚えるのではなく、対象を定めて競走後の重さも確認する仕組みと捉えてください。

「少しでも前後の数字が違ったら失格なの?」という疑問も出てきそうですね。斤量不足に関する失格の決まりは、後検量で量った重さが前検量の重さより1kgを超えて減っていた場合です。増えても減っても一律に1kg以上で失格、という説明とは違います。

規程に従って装具を交換し、その重量を算出して発表した場合には、比較に使う重量にも定めがあります。ここはまず、「前に量った重量から、後に量った重量がどれだけ減ったかを見る」と、引き算の向きを押さえておきましょう。

また、指定重量を自由に上回ってよいわけでもありません。加算重量を超える騎乗には、超える分が1kg以内で、裁決委員がやむを得ない理由として許可した場合に限る規定があります。誰でも好きに使える1kgの余裕ではないんです。

この前後の確認を知ると、斤量が単なる紹介用の数字ではなく、実際に競走の条件として扱われていることが見えてきます。出馬表の一つの数字にも、載せるものを量って確かめる作業がつながっているわけです。

(出典:JRA「日本中央競馬会競馬施行規程」第98〜100条・第120条・第123条)

競馬の斤量とは?数字が違う理由

斤量が何の重さか分かったら、次は「どうして馬ごとに数字が違うのか」です。決め方には馬の年齢や性別、競走ごとの条件が関わり、騎手の減量が適用される場合もあります。まず四つの呼び名を見て、実際の表示へつなげましょう。

馬齢・別定・定量・ハンデの違い

負担重量の説明で出てくるのが、馬齢重量、別定、定量、ハンデキャップの四つです。どれも「何kgで走るか」に関係しますが、重量を決める基準が違います。斤量という言葉は、これらによって定められた負担重量そのものを指します。

負担重量の決め方と確認箇所
呼び名決め方の入り口最初に見るところ
馬齢重量2歳・3歳の同一年齢の競走で用いる年齢等の基準年齢、性別、開催時期
別定競走ごとの基準と賞金・勝利度数などの条件その競走の負担重量の条件
定量別定のうち年齢と性別を基準にするもの年齢と性別による区分
ハンデキャップ実績や最近の状態などを踏まえて委員が決めるもの各馬に定められた負担重量

この四つを、斤量に追加して載せる別々の重りだと考えると分かりにくくなります。そうではなく、斤量をどう決めた競走なのかを説明する言葉です。たとえばハンデキャップは決め方の一つなので、斤量のあるレースがすべてハンデ戦という意味にはなりません。

定量が別定の一種だという関係も、初めは少し引っかかるかもしれませんね。出馬表では呼び名ごとに確認する場面がありますが、規則の考え方では、競走ごとに定める重量のうち、年齢と性別だけを基準にするものを定量と呼んでいます。

(出典:JRA「競馬のルール・負担重量」)

馬齢重量、別定、ハンデキャップの決め方を並べ、定量を別定の中へ配置した水彩図解
定量は、別定のうち年齢と性別だけを基準にするものです。

馬齢重量は年齢と性別で決まる

馬齢重量は、2歳馬だけ、または3歳馬だけで行う同一年齢の競走で用いる重量です。「馬齢」は馬の年齢という意味ですが、すべての年齢の馬に一つずつ固定した斤量がある、という読み方ではありません。

JRAの馬齢重量の表では、2歳の牡馬・せん馬は9月まで55kg、10月から12月までは56kg。3歳は57kgとなります。牝馬は、これらの区分で55kgです。せん馬は去勢された雄馬で、この表では牡馬と同じ行に載ります。

JRAの馬齢重量の基準
区分2歳・9月まで2歳・10〜12月3歳
牡馬・せん馬55kg56kg57kg
牝馬55kg55kg55kg

表を横へ読んでみると、2歳の牡馬・せん馬でも、9月までと10月以降では基準が変わることが分かります。同じ2歳の馬なのに数字が違う場合、年齢の数字だけでなく、いつの競走なのかも関わるんです。

もう一つ見ておきたいのは、牝馬がどんな競走でも一律に2kg軽いわけではないこと。馬齢重量の表では、2歳の9月までなら牡馬・せん馬と牝馬は同じ55kgです。3歳の57kgと55kgの差だけを、すべての競走へ広げないでくださいね。

この表は馬齢重量の基準で、騎手の減量など、ほかの適用条件まで全部書き込んだ出馬表ではありません。基準の表と、そのレースで発表される各馬の斤量は、役割を分けて読むとつまずきにくいところです。

定量でも全馬が同じ数字とは限らない

定量は、馬の年齢と性別を基準に負担重量を定めるものです。別定のうち、この二つを基準にする決め方を指します。「定量」という名前から、出走する全馬がまったく同じ斤量だと思いやすいですが、年齢や性別の区分が違えば数字も違うことがあります。

JRAのGⅠは、定量または馬齢重量で行われます。ですから、GⅠという大きな区分だけを見て、負担重量の決め方まで全部同じだと覚えるのも違います。競走条件に付いている「定量」「馬齢」の表示が、そのレースを読む入口になります。

同じ斤量の馬が並んでいても、違う斤量の馬が混じっていても、それだけで定量かどうかを決めないことです。数字を見てから呼び名を推測するより、競走条件を読んで数字を見直す。その順番のほうが、出馬表の内容と結び付きます。

別定とハンデは決め方が違う

別定は、その競走に定めた基準で負担重量を算出します。基本の重量に、収得賞金や勝利度数など、競走ごとに設定された条件が関わります。別定と書かれた競走が、全部まったく同じ数字や増減条件を使うわけではありません。

「前のレースでは57kgだった馬が、今回は58kg」といった違いを見ても、馬の体重だけでは説明できないのはそのためです。どの競走へ出るか、その競走で何を基準にしているかを読む必要があります。

一方のハンデキャップは、出走予定馬の実績や最近の状態などを考慮し、JRAのハンデキャップ作成委員が各馬の負担重量を決めるものです。各出走馬に勝つチャンスを与えることを目指す決め方で、競走条件の算出基準に沿う別定とは違います。

「ハンデを背負う」という日常の言葉を知っていると、負担重量は全部ハンデなのかな、と思うかもしれません。でも競馬でのハンデキャップは、決め方を示す呼び名。斤量は、馬齢重量や定量の競走でも使う言葉なんです。

馬爺
馬爺

斤量は重さの名前、ハンデは決め方の名前。私は、この二つを分けて読むと覚えやすいと思います。

別定やハンデの表示を見つけたら、まず各馬の斤量を、その競走で発表された条件として読んでみてください。数字の大小から馬の評価を一つに決めることより、何を表した数字なのかが分かることが、用語を知る最初の一歩です。

同じ馬でも斤量が変わる理由

斤量は馬についた永久の数字ではありません。同じ馬でも、出る競走の条件や時期、騎手の減量の適用などによって変わります。出馬表の過去の成績欄を読むときも、その都度の競走に対応する数字として見ます。

馬齢重量なら、先ほどの表のように年齢・性別・時期を見ます。異なる年齢の馬が一緒に出る競走では、年齢による減量に開催月や距離が関わる場合もあります。「3歳だからどのレースでも必ず何kg」と、一つの値に固定できないところです。

別定では競走ごとの基準や加増条件、ハンデキャップなら各馬に決められた重量を使います。オープンクラスなど、一部の競走は基本の重量も個別に設定されます。別のレースの基準を、そのまま次のレースへ持ってくる読み方はしません。

騎手が同じでも、競走の条件が変われば斤量が変わることがあります。反対に、騎手が変わったという情報だけでも、斤量が何kg変わるかは決まりません。減量が適用される競走かどうかも、その理由を見るときに関わります。

過去の成績を見比べるなら、「馬の名前」「そのレースの日付」「競走条件」「斤量」を一緒に追ってみましょう。今回と前回の数字を引き算するだけでなく、数字が載っているレースの名前へ目を戻すと、次に知りたいことも見つけやすいはずです。

同じ馬の記録でも、レースが変わると周りに書かれた条件が変わります。斤量の意味が分かると、馬名のそばの小さな文字にも目が向きますね。

▲や☆は騎手による減量の記号

出馬表の騎手名の横に、▲、△、☆、★、◇といった記号が付くことがあります。これは騎手に関する負担重量の減量を示す記号です。人気の印でも、馬の名前の一部でもありません。

JRAでは、見習騎手や女性騎手の区分に応じて、負担重量を減らす制度があります。ただし対象は、特別競走とハンデキャップ競走を除く競走です。その騎手が乗るなら、どんなレースでも同じ減量が自動で付くわけではないんです。

次の表は、JRAの平地競走での記号と減量幅を見るためのものです。見習騎手の区分には免許の期間と勝利度数が関わり、障害競走では区分が異なります。ここでは出馬表の記号を読むところまでにしましょう。

騎手の減量記号と減量幅
記号減量幅平地競走での区分
★4kg女性見習騎手の所定の区分
▲3kg男性・女性見習騎手の所定の区分
△2kg男性見習騎手の所定の区分
☆1kg男性見習騎手の所定の区分
◇2kg見習騎手でない女性騎手

▲には男性と女性の見習騎手の区分があります。同じ記号だから、その騎手の性別や免許を受けた時期まで全部分かるということではありません。記号が直接知らせるのは、適用される減量幅です。

女性騎手については、女性見習騎手の条件に応じた★や▲と、見習騎手でない場合の◇を区別します。「女性騎手は全員★」「女性だから、どんな競走でも必ず2kg引く」といった覚え方では、出馬表と合わない場面が出てきます。

また、減量の幅があるからといって、何kgまでも低くできるわけではありません。JRAの平地競走には原則50kgの最低負担重量があり、競馬番組で定めるオープン競走は49kgです。減量の適用にも、この最低重量の決まりが関わります。

騎手の名前を見て自分で斤量を決め直すより、その競走で付いている記号と、発表された負担重量を一緒に読むのが基本です。年齢・性別による馬の区分と、騎手による減量は別の仕組みなので、同じ「減量」という言葉でも主語を見てくださいね。

記号と表示された斤量を一緒に読む

記号の意味が分かったら、出馬表の負担重量欄へ戻ってみましょう。記号は減量の幅を知らせますが、出馬表に発表されている斤量を読者がもう一度引き直すための印ではありません。

たとえば、説明用の架空例として、基準となる斤量57kgの競走で▲の3kg減が適用され、負担重量欄に54.0kgと表示されている場合を考えます。読む数字は54kgです。そこからさらに3kgを引いて51kgとするのは、同じ減量を二度数えてしまいます。

架空例:57kgを基準に▲3kg減が適用され、出馬表に54.0kgと発表されているなら、その馬の公表斤量は54kgです。記号は、その数字へ至った減量の意味を知らせます。

保護ベストの標準分1kgも、出馬表の数字を書き換えるために使うものではありません。減量の記号は騎手の区分による負担重量の減量、保護ベストの標準分は検量の取り扱い。どちらも重さに関係しますが、数字に関わる場面が違うんです。

ここで、一頭分の表示を読めるか試してみましょう。負担重量欄を指して何kgか読み、馬体重欄を指して何kgか読みます。騎手名の横に記号があれば、表に戻ってその減量幅を確かめる。この三つを順に見るだけです。

次に、レースの条件に馬齢・別定・定量・ハンデのどれが書かれているかを見つけてみてください。数字をもう一つ計算するためではなく、「この斤量は、どんな決め方の競走の数字なのか」を読むためです。

減量が適用される競走の架空例として基準57kgから▲3kg減で公表54kgとなり、さらに引かないことを示す水彩図解
減量が適用される競走の架空例。▲3kg減が適用され、54kgと発表されているなら読む数字は54kgです。

斤量についてのよくある質問

Q1. 斤量と負担重量は違う意味ですか?

A. 競馬では同じ意味で使います。斤量は「きんりょう」と読み、馬が競走で背負う騎手や鞍などの負担重量のことです。今の出馬表はkg表示なので、昔の単位である斤へ換算して読む必要はありません。

Q2. 斤量58kgは騎手の体重が58kgということですか?

A. 騎手本人の体重だけを示した数字ではありません。鞍なども含む負担重量の表示です。必要な重量に足りない場合は鉛などで調整するので、斤量欄の58kgから騎手の体重をそのまま読み取ることはできないんです。

Q3. 牝馬の斤量はいつも牡馬より2kg軽いのですか?

A. どの競走でも一律に2kg軽いわけではありません。たとえばJRAの馬齢重量では、2歳の9月までなら牡馬・せん馬と牝馬の基準は同じ55kgです。年齢、性別だけでなく、その競走の重量条件を一緒に読みます。

Q4. 斤量が決まっているレースは全部ハンデ戦ですか?

A. 全部がハンデ戦ではありません。負担重量の決め方には、馬齢重量、別定、定量、ハンデキャップがあります。ハンデキャップは決め方の一つで、斤量はそれぞれの競走で定められた負担重量を指す言葉です。

Q5. ▲の騎手が乗ると、どのレースでも3kg減りますか?

A. JRAでは、特別競走とハンデキャップ競走を除く、減量の対象競走に適用します。どのレースでも自動で3kg減るわけではありません。出馬表では、その競走で付いている記号と公表された斤量を一緒に見てください。

競馬の斤量とは馬が背負う重さ

競馬の斤量は、馬がレースで背負う騎手や鞍などの負担重量です。馬自身の体重や、騎手本人の体重だけを表す数字とは分けて読みます。

数字の違いを見るときは、馬齢・別定・定量・ハンデという競走条件へ。騎手名の横の▲や☆は減量の記号ですが、出馬表に発表された斤量を、さらに引き直す印ではありません。

次に出馬表を開いたら、気になる馬の一行だけ見てみましょう。斤量は何kgか、馬体重は何kgか。その二つを分けて読めると、今度は「なぜこの競走ではこの斤量なのか」と、レースの条件にも目が向いてきます。名前のそばの数字も、もう意味の分かる数字ですね。

案内役の馬爺
馬爺(うまじい)
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競馬の「なるほど」案内役
競馬を見ていると、「これ、どういう意味だろう?」が次々に出てきますよね。気になる用語、名馬の物語、競馬場の楽しみ方を、ひとつずつ調べてノートにしています。知るほど楽しくなる競馬の世界を、一緒にのぞいてみませんか。
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